2006年09月28日

チェコ秘曲集

talich2.jpg勝手に秘曲集なんて付けたけど、実はチェコの愛すべき隠れた名曲を3曲収録しているCDなのだ。
スメタナ「チェコの歌」は、愛国的な曲であるが、スメタナらしく格式高い音楽である。合唱を伴うこの曲は、10分程度であるが忘れ去るには勿体ない曲である。これを巨匠:ターリヒが戦後すぐのチェコで録音したことに政治的な意図はあるかないか・・・

スーク「おとぎ話」は、スークの代表的な作品の1つでターリヒは、2度録音している。これはもちろん2度目の録音。ハープの伴奏でバイオリンの美しいソロに導き出されるこの美しい曲は、大変魅力的である。たぶん時のコンサートマスターが弾いているのだろうけど、あまりにも美しい。
2曲目は、ポルカ調で哀愁あるクラリネットソロから始まる。そして大円団となる。3曲目も物悲しく、フィナーレでは一転し、情熱的に激しい曲となる。そして最後は、最初のバイオリンソロで幕を閉じるのだ。
ちなみにこの曲は、1901年2月7日にチェコフィルにより初演された。それを記念した100年後の演奏会で、アシュケナージがマーラー交響曲第6番の前半で演奏した。僕は、この時初めてこの曲を実際に聞きあまりの美しさに感動したのだった。

ノヴァークは、ブルックナーを改変したノヴァークではありません。ヴィチェスラフ・ノヴァーク(1870〜1949)で、ドヴォルジャークの弟子で国民学派以降重要な作曲であり、教育者としても高名でエーリヒ・クライバーは教え子の1人である。この「スロヴァキア」組曲は、オルガンとともに感動的な大コラールから始まる。これが様々に形を変えて現れるのだ。4曲目は一転し、民族楽団によるモラヴィア民謡のようだ。ホルンの強力なソロがまた実に魅力的だ。この手の民俗音楽をやらせたら、彼らの右に出るものはいない。本当に凄い演奏だ。恐るべし・・・

それにしても晩年のターリヒは、愛してやまないこうした名曲を、自ら育て上げたオーケストラで楽しく指揮していただろうなぁ

お勧め度:★★★★

スメタナ 
 チェコの歌
スーク
 おとぎ話
ノヴァーク
 スロヴァキア組曲
指揮:ヴァーツァフ・ターリヒ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
プラハフィルハーモニー合唱団
合唱指揮:ヤン・キューン
1949、1953、1954年録音
<SU 3822-2>
posted by ズィコフ at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ヴァーツラフ・ターリヒ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月05日

カレル・シェイナのマーラー交響曲第4番

sejnamahler4.jpgカレル・シェイナは、ようやく世間で知られる指揮者となりつつあるみたい。それでもまだまだ知る人ぞ知る、隠れた名指揮者であることには変わりが無いようだ。
シェイナの録音が、日本でこれほど発売されたのも、私がレコ芸に登場したときに、ひたすら紹介したからだと勝手に思っている。
シェイナの数少ない録音の中で、愛してやまない録音が、このマーラー交響曲第4番。かつてこんな録音があると知らされ、御茶ノ水のディスクユニオンでかなり高価(それでも¥3000くらいだけどね)であったが中古LPを見つけたときは嬉しかった。そして帰ってきて聞いたときの驚き。あまりにも素晴らしい。こんなマーラーは聞いたことが無い。
だから事あるごとに、この録音を紹介したいと思って、ホームページに掲載し、その他掲示板でも紹介し、更にはパソコンに音を取り込み加工してCD化し、配った事もある。

そしてついにCD化。嬉しかった。
オリジナルマスターが劣化していると思われるので、万全な音ではない。また録音時の音の歪みがあるので、こればかりは修正できない。それでも出てくる音の素晴らしい事!
音楽が泉のように湧きあがる。歌に満ち溢れ、これほど音楽を聴いて、幸福を味わえるものがあるのだろうか?
1950年という戦後間もないチェコフィルの、ポテンシャルの高さ。ターリヒをして「もはや教える事はない」と言わしめた時代だ。ホルンのシュテフェックをはじめ、管楽器のソロの美しいこと。そしてビロードのような弦楽器。どこを取っても最上級。そしてシェイナの紡ぎだす美しい音楽。
シェイナのマーラーが素晴らしかったと、ケイマルも言っていたし、マーツェルもシェイナこそお手本だと言う。

残念な事に、チェコフィルとは4番しか録音を残さなかったが、国民劇場のオーケストラと「大地の歌」のライブ録音が復刻された。こちらは全く話題になっていないが、これも隠れた名演なのでいずれ紹介したいと思う。

お勧め度:★★★★★

指揮:カレル・シェイナ
ソプラノ:マリア・タウベロヴァ
チェコフィルハーモニー管弦楽団
1950年4月録音 ドモヴィナ・スタジオ
<COCQ−83865>
posted by ズィコフ at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | マーラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月04日

ビエロフラーベクの「幽霊の花嫁」

belodvorakbride.jpgドヴォルジャークの珍しいカンタータ「幽霊の花嫁」を紹介したい。5年くらい前にアルブレヒトが読響と日本初演をしたくらい珍しい曲。録音は、アルブレヒト以外にはチェコ系指揮者がそれなりに録音しているが、演奏される機会は非常に珍しい。
来年、チェコフィルがマーツァルと演奏するのだが、どこか録音してくれないかなと思っているのだが・・・・オクタヴィアはやらないかなぁ

このカンタータは、実にドヴォルジャークらしい曲で好き。
恥ずかしいくらいの民謡風な旋律の宝庫でありながら、何気に美しく格調高いところもある。スターバト・マーテルのような崇高さはないけど、泥臭さがたまらない。こんなドヴォルジャークだからこそ愛されているのだろうと思う。何気にチェコだと毎年どこかのオケのプログラムに乗ってくるのだ。

さて。これはビエロフラーベクとプラハ響がライブ録音したものだ。ビエロフラーベクは、良い指揮者なんだけどスタジオ録音だと気合が入りきっていない時があり、損しているときがあるのだけど、これはかなり気合の入ったライブ録音。
大活躍するプラハフィルハーモニー合唱団の素晴らしいこと!プラハ響もチェコフィルよりもローカルで味のある音を出してくれている。こういうドヴォルジャークのローカルな曲だと、このオケも持ち味が存分に引き出される。特にラングヴァイル率いるホルンセクションが実に良い味を出してくれる。
この泥臭さにはまったら、抜け出せない魅力が存分につまっている。

それにしても日本では売れないと思われているのか、店頭で見かけた事がないような・・・・これもMusicaBonaで購入できます。

お勧め度:★★★★★

ドヴォルジャーク
 劇的カンタータ「幽霊の花嫁」
指揮:イルジー・ビエロフラーベク
プラハ交響楽団
ソプラノ:エヴァ・ウルバノヴァ
テナー:ルードヴィト・ルーダ
バリトン:イヴァン・クスニエル
1995.11.29 ドヴォルジャークホール ライブ録音
SUPRAPHON<SU3091-2 231>
posted by ズィコフ at 22:08| Comment(1) | TrackBack(0) | ドヴォルジャーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最初に買ったホルンのCD

buyahorn.jpg実は、これがホルンのソロCDとして初めて買ったもの。高校1年生の時に、試験期間中に同級生と一緒に勉強しないで銀座ヤマハに行ったときに買ったものだ。当時はブヤノフスキーという人を知らなかった。でもバンドジャーナルのホルン特集でお勧めCDで掲載されていた買ったような気がする(誰が勧めた?)。しかも当時のCDとしては安い¥2000だった。
だからホルンを吹き始めて本当にちゃんと聞いたのはこれが初めて。その前にデニスのモーツァルトのCDが我が家にあったけど、あったことすら忘れていた。
この録音を聞いて「これがホルンの音なんだ!」と思った。それが正しい、間違いは置いといてある意味、僕のソロホルンの原点である。このCDを何度聞いたか記憶がない。今までたぶん1000回は聞いたかもしれない。この後、ティルシャルのCDに出会い(ナクソスで安かったからね)、これまた聞きまくった。

ティルシャルは置いといて、ブヤノフスキーが本当に凄い人だったと知るまでそれほど時間は掛からなかった。ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルのチャイ5のソロの人だと教えられたら、それで終了。この凄すぎるソロは、この人か!
ある意味、ホルン吹きとして外道へ足を踏み外した瞬間かもれしれない。

でも結局、最初の印象だけで今までホルンを吹いている。
誰ですか?ホルンはビヴラート掛けてはいけないと言っている人は?
それがエレガントなら良いではないかい。
ビヴラートか掛けたベートーベンは、美しく実にエレガントである。もちろんシューマンもロッシーニも。
こうして改めて聞くと、音楽家ブヤノフスキーの素晴らしさを改めて感じるのだ。今もチャイコフスキーとショスタコーヴィチはブヤノフスキーみたいに吹きたいと思う。

チェコではないけど、僕の音楽の原点の1つということで紹介しました。

ジャケット写真は携帯で撮ったからちょっと汚いですね。いつもはどこからかネットで探して貼り付けるのだけど・・・

お勧め度:★★★★★

ベートーベン ホルンソナタ
シューマン アダージョとアレグロ、夕べの歌
ロッシーニ 序奏、主題と変奏
ホルン:ヴィタリー・ブヤノフスキー
ピアノ;エレオノーラ・ヌリジャニン
オルガン:マルク・シャーヒン(夕べの歌)
posted by ズィコフ at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ヴィタリー・ブヤノフスキー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月03日

ズヴォラーネクの協奏曲

zvolanekconcerto.jpgマレク・ズヴォラーネクはケイマルの後継者として1992年にわずか18歳でチェコフィルの1&3番奏者として入団。晩年のノイマンやアルブレヒトの録音にも参加している。しかし2年で退団し、プラハ放送響のソロトランペット奏者として移籍する。理由はいろいろあるらしいけど、演奏旅行が嫌いとか?権威主義的なチェコフィルが嫌いというのもあるらしい。どちらにしろ、チェコフィルなんかには入らない!と言っているのはちょっと残念。
この録音は、SCHAGERLがスポンサーとなり製作された。ということで、ロータリートランペットで吹いているのかもしれない。
ズヴォラーネクのスタイルは、チェコとドイツの中間のような感じだ。ガンシュやグロートに師事したことが影響しているのだろう。今回の録音を聞くと、吹き方はガンシュに近いものを感じる。もちろんオケ中で吹くと、ケイマルのように猛烈な勢いで吹きまくるのだけど。
その代表例として、アシュケナージ指揮チェコフィルでマーラー交響曲第6番「悲劇的」。エキストラで5番トランペットとして参加し、爆発音に近い凄まじい勢いで吹きまくっている。ドヴォルジャークホールで実際に聞いたのだが、あまりの凄さに椅子から落ちそうになった。

さてこの初ソロ録音で、ズヴォラーネクをその才能を存分に開花させている。とにかく上手なのだ。軽々と吹きまくる。ミハイル・ハイドンの超ハイトーンも楽勝そのもの。でも巧さが鼻につく訳でもない。それはさすがはチェコが生んだ音楽家なのだ。

ズヴォラーネクにも、もっとオーケストラプレーヤーとして活躍して欲しいと願っているのだが・・・何度もプラハ放送響の演奏会を現地でも聞いているけど、なかなかその顔を舞台で見かけることはない。ソリストとしてチェコのオケにかなり多く出演しているようだけど。

お勧め度:★★★★

Johann Wilhelm Hertel
 Trumpet Concerto No. 2 in E flat Major
Johann Michael Haydn
 Trumpet Concerto in D major
Frantisek Xaver Richter
 Concerto in D major for Trumpet, Strings and Harpsichord
Giuseppe Tartini
 Concerto for Trumpet and Orchestra, in D major

Drahomira Pelantova Harpsichord
Marek Zvolanek Trumpet
New Prague Collegium
2002年録音 ドモヴィア・スタジオ
posted by ズィコフ at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | マレク・ズヴォラーネク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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